お菓子づくりに使う道具の中でも、手軽で楽しく、見た目を華やかに仕上げてくれる「チョコペン」は人気のアイテムのひとつです。
ケーキやクッキーにかわいい模様を描いたり、ちょっとしたひと手間でお店のような仕上がりに近づけたりと、使い方はさまざまあります。
でも、いざ使ってみたら「チョコが全然固まらない…」「デコレーションが崩れてしまった…」といったトラブルが起こることも。
これにはきちんとした理由があるのです。
実は、チョコペンには大きく分けて2つの種類があり、それぞれの性質がまったく異なります。
どちらを選ぶかによって、仕上がりや扱いやすさが大きく変わってきます。
この記事では、「チョコペンがなぜ固まらないのか」という疑問から、タイプごとの違いと用途別の選び方、そしてうまく固めるための実用的なアドバイスまでをまとめてお届けします。
これを読めば、デコレーションのお悩みが解決し、今まで以上にお菓子づくりが楽しくなりますよ。
なぜチョコペンが固まらないの?その理由は選んだタイプにあります
「チョコペンを使ってみたけれど、時間が経ってもずっとやわらかいまま…」そんな経験をした方もいるのではないでしょうか。
実は、その原因の多くは「チョコペンの種類選び」にあります。
チョコペンには、主に「速硬化タイプ」と「ソフトタイプ」の2つの種類があり、それぞれに特徴と適した使い方があります。
以下の表で、そのちがいを簡単に整理してみましょう。
種類 | 特徴 | 使用前の準備 | 固まり方 | 向いている用途 |
---|---|---|---|---|
速硬化タイプ | 冷えるとすぐ固まる | 湯せんで溶かして使用 | 固まる | 細かい模様や文字にぴったり |
ソフトタイプ | 常温でもやわらかくやさしい手触り | そのまま使える | 固まりにくい | 食べる直前のトッピングなど |
速硬化タイプのチョコペンは、最初は固い状態でパッケージされており、使用する前にお湯につけて溶かす必要があります。
そして、描いたあとにすぐ冷えて固まるため、クッキーやケーキなどに細かい文字や模様を描くときにぴったりです。
一方、ソフトタイプは最初からやわらかく、湯せんなしで手軽に使えるのが特長です。
ただし、これは描いたあともやわらかさを保ち続ける性質があるため、冷蔵庫に入れても完全には固まりません。
このように、チョコペンは種類によって全く違う仕上がりになるため、どのタイプかをパッケージで確認してから使い始めることがとても大切です。
ソフトタイプのチョコペンは冷やしても固まらない。その理由とは?
ソフトタイプのチョコペンを使ったあと、「冷蔵庫で冷やせば固まるかも」と期待してしまうことがあります。
しかし、残念ながらソフトタイプは性質上、完全に固まることはありません。
なぜなら、このタイプのチョコペンにはやわらかい油脂成分が多く含まれており、低温で少し固まったとしても、常温に戻るとすぐにとけてしまうからです。
これは、たとえるなら氷が溶けて水になったあと、自然に元の形には戻らないのと似ています。
つまり、冷やして一時的に固くしても、すぐに元に戻ってしまうのです。
そのため、プレゼントや持ち運びなどには向いておらず、すぐに食べる用途での利用が前提となります。
例えば、家庭内でのスイーツトッピングや、お皿に盛りつけてすぐに食べる場合には、やわらかさを活かした使い方ができます。
「どうしても固めたい」という気持ちはよくわかりますが、ソフトタイプの特性として割り切り、用途に応じた工夫をするのが最も賢い方法です。
固まらないチョコペンを使ってしまったら?おすすめの対応方法をご紹介
すでにソフトタイプのチョコペンを使ってしまい、「このままだとデザインが崩れてしまう」と心配になることもあるかもしれません。
そんなときは、以下の方法でうまくリカバリーすることができます。
まず、やわらかいチョコはスプーンなどでていねいに取り除きます。
次に、速硬化タイプのチョコペン、または板チョコを湯せんで溶かして再度デザインを施しましょう。
板チョコは市販されているもので十分対応可能です。
割って湯せんし、クッキングシートで作ったコルネ(小さな絞り袋)を使えば、立派なチョコペン代わりになります。
対応方法 | 詳細説明 |
---|---|
スプーンで取り除く | やわらかいチョコ部分をやさしく取り除く |
板チョコで代用 | 湯せんで溶かし、コルネで絞って再描きする |
冷蔵庫でしっかり冷却 | 描いたあとにしっかり冷やして固める |
どの方法でも、再描きしたあとは冷蔵庫に入れてしっかり冷やすことが大切です。そうすることで、しっかりと形が固定され、見た目もきれいに仕上がります。
チョコペンを選ぶときのポイント。用途別で選ぶのが正解!
チョコペンは色やかわいさに目がいきがちですが、実は「どんな場面で使うのか」に合わせて選ぶことがとても重要です。
以下の表に、よくある使い方と、それに適したタイプをまとめてみました。
使用場面 | 適したチョコペンの種類 | 理由 |
---|---|---|
誕生日ケーキや記念日の装飾 | 速硬化タイプ | 細かい文字や模様がきれいに固まるから |
おやつタイムのちょい足し | ソフトタイプ | 手軽に使えてそのまま食べやすいから |
プレゼント用のお菓子 | 速硬化タイプ | ラッピングしてもデザインが崩れにくいから |
子どもと一緒に楽しく飾る | ソフトタイプ | 扱いやすく、湯せんが不要で安全だから |
このように、見た目や手軽さだけで選ばず、「どのような使い方をするのか」を基準にチョイスすることが、満足のいく仕上がりへの第一歩になります。
まとめ:チョコペンの特性を知ってお菓子づくりをもっと楽しく!
今回は、チョコペンが固まらない理由や、その対処法、選び方までをくわしくご紹介しました。
チョコペンには速く固まるものと、ずっとやわらかいままのものがあり、それぞれに向き不向きがあります。
その性質をきちんと理解して使うことで、お菓子づくりの失敗をぐんと減らすことができます。
もしうっかりタイプを間違えてしまっても、取り除いて描き直したり、市販のチョコを使ってリカバリーすることもできます。
大切なのは、使う前にパッケージをよく確認し、自分の目的に合ったものを選ぶことです。
おうちでのお菓子づくりは、気分をリフレッシュさせたり、家族との時間を楽しくしたり、日常に小さな幸せを運んでくれます。
そんなひとときを、より素敵に彩ってくれるチョコペンを、これからも上手に活用してみてくださいね。